医学出版社

   
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赤外線蛍光内視鏡の開発 
夢のがん診断・治療法 赤外線蛍光内視鏡
の開発
 
夢のがん診断・治療法


編著/
伊東 進 徳島大学名誉教授

A5判 132頁
本体 1,900円+税
2012年 発行
ISBN 978-4-87055-124-4


 赤外蛍光標識物質を用いた微小がん診断が可能な内視鏡を開発するに至る,研究の着想から完成までの,著者をはじめとする医師と研究者の困難と努力の記録。
 がん健診,治療に有効であり,ポストゲノム時代の内視鏡学に一石を投じる価値ある書。


内容見本

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■序文
 最近の医学・医療の進歩はめざましくがん診断・治療法も次から,次へと新しい方法が開発され医療の現場で活用されている。しかし,まだまだ不備な点も多く,更なる発展が望まれている。新しく開発されたがん診断法の多くは形態診断学であり,早期診断には名人芸ともいわれる高度の診断技術が要求される。裏を返せば見逃し例も少なくないと言うことである。新しいがん治療法も次々と開発されているが,副作用の問題が大きくのしかかっている。結局のところ理想的ながん診断・治療法の確立にはほど遠いのが現状である。そのような中,2011年11月7日,米国立衛生研究所の研究チームから近赤外光を用いた画期的ながん治療法が報告され,大々的に報道された。未だ動物実験の段階ではあるが,正に,夢のがん診断・治療法が手の届くところに北感があり感動を禁じ得ない。

 では,どのようなものが夢のがん診断・治療法と言えるものであろうか。名人芸と言われる高度の診断技術が無くても誰でも診断でき,表在がんだけではなく,深部の病巣も診断できる診断法である。診断と同時に治療も行うことができ,治療効果も深部病巣におよび,がん細胞だけを治療する副作用のない治療法であると思われる。

 すなわち,がんを特異的に標識する標識物質を開発し,その標識物質を検知しうる医療機器を開発し,早期がんを発見し治療すれば夢のがん診断・治療法に一歩近づけると思われる。そのような性質を有する物質が近赤外光に反応するICG(赤外蛍光標識物質)であった。そこで,赤外蛍光標識物質を用いた微小がん診断法の開発が試みられた。

  赤外蛍光標識物質を用いた微小がん診断法も一朝一夕に生まれたわけではなぃ。研究の着想から始まり,赤外蛍光標識物質の開発までもその道のりは遠く,第一製薬株式会社,第一化学株式会社,同仁化学株式会社等,多くの協力者が必要であったことは言うまでもない。何度かあった挫折の危機を各専門家の知恵と機転で切り抜け赤外蛍光標識物質の開発に成功した。次なる難関は赤外線蛍光内視鏡の開発であった。世界に冠たるオリンパス株式会社の協力があれば容易であると思われた赤外線蛍光内視鏡の開発も世界で初めての機種開発と言うことで困難を極めた。これらの困難もオリンパス株式会社のご協力とご尽力により乗り越えることが出来た。

 試薬と機器が開発できれば,99%完了と思っていた赤外蛍光標識物質を用いた微小がん診断法であるが,いざ,がん細胞を前に実践してみるとこれまた一朝一夕に事が運ばなかった。これらの問題を乗り越え,赤外蛍光標識物質を用いた微小がん診断に成功したのが六車直樹を始めとする若き医師たちであった。

 その後,各方面で近赤外蛍光を用いた診断・治療法の開発が進み,夢のがん診断・治療法も手の届くところに来た。本書は,これらの多くの研究者のたゆまざる努力と協力が結実した,汗と 涙の記録である。
               

2012年5月吉日
伊東 進







■目次

発刊によせて 荒川泰行

1 夢のがん診断・治療法とは
 
2 既報のがん診断法

  1. X線撮影(胃X線検査,注腸X線検査)
  2. 内視鏡検査
  3. CT
  4. MRI 

3 既報のがん治療法

  1. 外科手術
  2. 放射線療法
  3. 化学療法
  4. 内視鏡的治療
  5. その他 

4 夢のがん診断・治療の着想
  ―赤外線と湾岸戦争―

  1. 形態診断には名人芸が必要
  2. 凡人の発想
  3. 湾岸戦争と赤外線
  4. 赤外線の特徴
  5. 生体免疫染色を応用した内視鏡診断着想の契機−一物徹底 万物応用

5 赤外線蛍光内視鏡開発の原動力になった
  グアナーゼ研究

  1. グアナーゼ研究のスタート
  2. グアナーゼ活性測定の臨床的意義
  3. 赤外線蛍光内視鏡開発のキーワードとなったグアナーゼ免疫染色
  4. 輸血血と輸血後肝炎
  5. 輸血後肝炎に関する特定研究班
  6. グアナーゼ研究から生まれた赤外線蛍光内視鏡



6 赤外線(近赤外線)の底力

  1. 赤外線の特性(近赤外線とは)
  2. 赤外線を応用した医療機器
  3. 赤外線蛍光特性:微小がん診断法開発に
    最適な赤外蛍光標識物質 

7 赤外蛍光標識物質を用いた微小がん診断法の開発

  1. 赤外蛍光標識物質の作成
  2. 赤外線蛍光撮像装置(顕微鏡)
  3. 赤外蛍光標識抗体を用いた赤外蛍光観察

8 赤外蛍光標識物質の検索

  1. 赤外蛍光標識物質
  2. ICG(Indocyanine Green)
  3. 赤外蛍光物質としてのICG
  4. 赤外蛍光標識物質の開発

9 ICG誘導体の合成

  1. ICG誘導体の合成
  2. 近赤外蛍光標識物質の開発

10 赤外線蛍光内視鏡の開発

  1. 医療系内視鏡について
  2. 自家蛍光内視鏡
  3. 赤外線蛍光内視鏡の開発

11 赤外線蛍光内視鏡を用いた
   微小がん診断法の開発

  1. 生体免疫染色法の検討
  2. 赤外線蛍光内視鏡
  3. さらなる可能性

12 分子イメージング

  1. 内視鏡分子イメージング
  2. 欧米と日本における診断治療学の相違

13 夢のがん診断と治療法

  1. 「夢のがん診断・治療法」を夢みて
  2. 「夢のがん診断・治療法」の現況
  3. 「夢のがん診断・治療法」を可能にする
    内視鏡健診 



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