医学出版社

   
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J波症候群 J波症候群


編著/

森 博愛
 徳島大学名誉教授
丸山 徹 九州大学教授

B5判 234頁
本体 5,000円+税
2013年 初版
ISBN 978-4-87055-128-2


 最近脚光をあびている心電図J波の解説書。 
 心電図J波に関する最近の知見を紹介し,さまざまな病態にみるJ波の実例を示し,良性J波と悪性J波の区別,J波関連不整脈への対応などについて,臨床的立場から詳しく解説。
 是非臨床医,研究者の方に。


内容見本

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■序文
 臨床心電学についての知識は循環器病学の分野のみならず,広く臨床各科においても必要になってきた。そのため臨床心電学の解説書は現在数多く出版されている。しかしながら,心電図の1つの波形に焦点を当てて詳述した解説書は少ない。本書の執筆者の森ら(森,日浅,中屋)は「心電図P波の臨床」(医学出版社,1980),また犀川ら(有田,伊東,犀川)は「QT間隔の基礎と臨床」(医学書院,1990)を出版し広く関心を集めた。
 このたび,編者らは最近J波症候群として広く関心を集めている心電図J波についての現時点における世界的な研究の概要を要約,紹介する目的で本書を企画し,同学の方々に協力を要請した。
 1982年,Brugadaらが反復する失神発作などの心臓突然死の前駆所見を持つ8例の非発作心電図に,一見,右脚ブロックに類似した特有の所見を認め,これが従来は認識されていなかった新しい疾患単位であることを提唱し,後にBrugada症候群と呼ばれるようになった。
 また1983年,Aizawaらは特発性心室細動8例中4例でQRS波終末部に徐脈依存性に増大するノッチを認め,これが致死的不整脈の出現と関連することを示唆した。
このBrugadaらが指摘した右脚ブロック様所見,Aizawaらのノッチは,その後の研究からJ波であることが明らかとなり,特発性心室細動例の31〜60%にJ波を認めることから,J波が重篤な不整脈の重要な基質として注目されるようになった。
 J波の存在は古くから知られていたが,冬山登山などの際の遭難者に見る偶発性低体温や酸塩基平衡異常などの特殊の場合にのみ認められる所見として,これまではほとんど関心が払われなかった。
 その後,J波は急性心筋梗塞症,冠動脈単縮性狭心症などの心筋虚血時をはじめ,いろいろな幅広い病態で認められることが明らかとなり,広く臨床家の関心を集めるようになった。
 他方,J波は正常者の3〜13%,長期観察例での一時的出現例を含めると23.9%の高率に認められるとの報告もあり,日常臨床でJ波を認めた場合にどのように評価,対応するべきかは臨床家にとって極めて悩ましい問題である。
 本書はJ波発見の歴史・成因,J波が出現する各種病態,J波の意義・治療・予後について,この領域の第一線の研究者・臨床家に執筆を依頼し,J波に関する最新の知見の概要をまとめて頂いた。各章ごとに多少の内容の重複があるが,J波症候群が提唱された当初の学術的論争や,心電学会に広げた衝撃の大きさの表れでもある。
 本書の出版に際し,分担執筆を快諾され,原稿をお寄せ頂いた各執筆者の方々に心から御礼を申し上げたい。また本書の執筆に際しては多くの文献を参考にしたが,これらの文献の各著者の方々に対しても心からの謝意を表する。

2013年3月


編者 森 博愛
丸山 徹







■目次

1 J波 総論

  1. 歴史 J波症候群の概念,機序と早期再分極症候群 ほか

2  J波の分類

  1. 心電図所見による分類
  2. 早期再分極波(J波)を示す病態による分類

3  J波の頻度

  1. 正常者・虚血性心疾患・特発性心室細動における頻度
  2. 不整脈原性右室心筋症・先天性QT短縮症候群・WPW症候群における頻度 ほか

4 J波:再分極期の波か,脱分極期の波か?

  1. J波の成因についての実験的検討
  2. ヒトにおけるJ波出現時相の検討
  3. J波が脱分極と関連した波であるとする諸報告 ほか

5  J波が出現する諸病態

 5−1 特発性心室細動とJ波

  1. 特発性心室細動例にみるJ波
  2. J波陽性者における心室細動 ほか

 5−2 Brugada症候群とJ波

  1. Brugada症候群の概念とその心電図波形の成因
  2. Brugada症候群と薬物および不整脈
  3. Brugada症候群でのJ波の出現率と予後への影響
  4. 症例 ほか

 5−3 先天性QT短縮症候群とJ波

 5−4 不整脈原性右室心筋症とJ波

  1. 不整脈原性右室症候群とは/心電図所見
  2. 早期再分極の出現率
  3. 不整脈原性右室心筋症でJ波を示し急死した例 ほか

 5−5 肥大型心筋症とJ波

  1. J波を示す肥大型心筋症の心電図の実例 ほか

 5−6 スポーツ選手とJ波

  1. 運動中の突然死の疫学/ 早期再分極と不整脈リスク
  2. 症例
  3. アスリートと早期再分極症候群 ほか


 5−7 早期興奮症候群とJ波

  1. J波症候群とWPW症候群の合併例 ほか
 5−8 電解質,酸塩基平衡異常とJ波
  1. 電解質異常とJ波
  2. 酸塩基平衡異常とJ波

 5−9 自律神経とJ波

  1. J波に対する自律神経作用薬の影響
  2. J波の日内変動および心拍変動との関係

6 J波症候群の概念

  1. 早期再分極の意義/J波症候群の提唱
  2. J波症候群の提唱
  3. Brugada症候群と早期再分極症候群の関連
  4. 活動電位ノッチの生理的意義
  5. J波症候群の遺伝子研究 ほか

7 J波を示す例の予後

  1. 早期再分極症候群の診断基準
  2. 予後の概要/J波が存在する部位と予後
  3. J波上昇に続くST上昇の形態/J波の形状
  4. 急死家族歴
  5. 心臓電気生理学的検査/ホルター心電図
  6. 心室遅延電位/Brugada症候群と早期再分極が合併した場合の予後

8 健診,スクリーニング検査などで
  J波を認めた際の対応

  1. J波を有する症例のリスク層別化
  2. J波を有する症例への対応 ほか

9 J波関連のelectrical stormの治療

  1. 急性期治療におけるカテコラミン点滴静注
  2. 症例
  3. 内服治療および中長期的管理



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